進路・就職

麻布大学の評判と実態|在学生・卒業生が語る問題点と魅力を徹底解説

進路・就職
  • 麻布大学は獣医学・生命科学分野で高い専門性を持ち、2024年新設の動物医療センターなど最新設備を備えている
  • 学費は高額だが、充実した奨学金制度と支援体制により経済的負担の軽減が可能
  • 就職率は96%以上と高水準で、特に獣医学部は98.3%と極めて良好な実績を示している

麻布大学は、獣医学と生命科学の分野で135年の歴史を誇る専門教育機関です。

2024年に新設された最新の動物医療センターをはじめ、充実した研究設備と実践的な教育環境を備えており、年間約1万4千症例もの診療実績を持つ附属動物病院では、全国から症例が集まっています。

確かに、獣医学科の初年度納入金約257万円という学費は決して安くありません。しかし、充実した奨学金制度や教育ローン制度により、経済的な支援体制は整っています。

就職状況も極めて良好で、獣医学部の就職率は98.3%を記録。動物病院への就職が約60%を占めるほか、公務員獣医師として農林水産省や各都道府県での活躍も目立ちます。

参照:麻布大学

麻布大学の基本情報と評価の実態

麻布大学の基本情報と評価の実態

麻布大学は、獣医学と生命科学の分野で高い専門性を誇る私立大学です。2025年度入試における偏差値は、獣医学部が40.0~62.5、生命・環境科学部が45~52と、学部によって大きな開きがあります。

偏差値と入学難易度の実態

獣医学部の中でも、特に獣医学科は60.0~62.5と高い偏差値を維持しており、動物医療の専門家を目指す学生から高い注目を集めています。一方、動物応用科学科は偏差値40.0、獣医保健看護学科は偏差値50.0となっており、学科選択の幅が広いことが特徴です。共通テストの得点率は35%~78%と幅広く、多様な入学経路を提供しています。

カリキュラムの特徴と学びの環境

獣医学科では、1年次から段階的に専門知識を積み上げる体系的なカリキュラムを採用しています。基礎教育科目では教養的な科目と専門基礎的な科目をバランスよく配置し、獣医師として必要な科学的思考力と実践力を養成します。

動物応用科学科では、1年次前期から生物学、化学、生態学などの基礎学力を身につけ、その後専門基礎科目を通じて動物の形態と機能、特性、基本的な病態について学びます。

充実した施設と実践的な学習環境

キャンパスには、2024年に新設された動物医療センターをはじめ、産業動物臨床教育センター、動物飼育エリア、ドッグランなど、実践的な学習のための施設が整っています。特に附属動物病院は1949年の開院以来、二次診療を基本とする高度医療施設として全国から症例を受け入れており、学生の臨床実習の場としても重要な役割を果たしています。

学生の声から見える大学の実態

在学生からは、実験が好きな学生にとって理想的な環境という評価が多く寄せられています。特に教員との距離が近く、アットホームな雰囲気の中で質問や相談がしやすい環境が整っているとの声が目立ちます。研究室配属後も、先生方や先輩方のサポートが手厚く、自分のペースで研究に取り組める環境が整っているとの評価が高いです。

このように、麻布大学は獣医学・生命科学分野において、高度な専門教育と実践的な学習環境を提供する特色ある大学として評価されています。施設面での充実度と、教員と学生の距離の近さは、この大学の大きな強みと言えるでしょう。

麻布大学の学費と経済的負担の実態

麻布大学の学費と経済的負担の実態

具体的な学費breakdownと他大学との比較

麻布大学の2025年度入学者における学費体系は、学部や学科によって大きく異なります。獣医学部獣医学科の初年度納入金は約257万円と最も高額で、これには入学金25万円、授業料180万円、施設・教育充実費45万円、実習費および諸会費約7万円が含まれています。

一方、獣医保健看護学科は約167万円、動物応用科学科は約182万円と、同じ獣医学部内でも学科による差が顕著です。生命・環境科学部の各学科(臨床検査技術学科、食品生命科学科、環境科学科)はいずれも約182万円となっています。

私立獣医学部の6年間の総額を比較すると、麻布大学獣医学科は約1,415万円と私立大学の中でも高額な部類に入ります。これに対し、国立大学の獣医学部は6年間で約350万円、公立大学は約471万円と、設置形態による学費の差は4倍近くにのぼります。

利用可能な奨学金制度と支援体制

麻布大学では、経済的支援が必要な学生向けに複数の奨学金制度を設けています。無利子貸与型の「麻布大学奨学金」「麻布大学父母会奨学金」が主要な制度として挙げられ、学納金の年額または年額の2分の1を貸与することが可能です。

また、成績優秀者には給付型奨学金として、2年次から6年次の各学科3~4人に対して、10万円の奨学金が給付されます。さらに、日本学生支援機構の奨学金や地方自治体、民間育英団体の奨学金制度も利用可能で、多くの学生がこれらを活用しています。

実験実習費用の追加負担について

獣医学科では、通常の学費に加えて実験実習費が前期・後期それぞれ12.5万円必要となります。これは年間25万円の追加負担を意味し、6年間で150万円という相当額に達します。この実習費は、実験器具や材料費、動物の飼育管理費用などに充てられます。

特筆すべきは、麻布大学では約2,000匹もの動物が飼育されており、これらの管理や医療に関する実践的な実習環境を提供するために必要な費用が含まれている点です。また、ノートパソコンの必携化も実施されており、これも初年度の出費として考慮する必要があります。

学生の家庭環境と経済状況の傾向

経済的な支援を必要とする学生への配慮として、麻布大学では授業料等の徴収猶予制度を設けています。前期分は8月31日まで、後期分は1月31日までの納付期限延長が可能です。また、教育ローンの提携制度も整備されており、株式会社オリエントコーポレーションと提携した「学費サポートプラン」により、分割での支払いが可能となっています。

新型コロナウイルス感染症の影響下では、オンライン授業実施に伴う環境整備として、学生1人あたり一律2万円の学習環境補助が支給されるなど、状況に応じた経済的支援も実施されています。このように、麻布大学では高額な学費負担に対して、様々な支援制度を通じて学生の経済的負担の軽減を図っています。

就職状況と進路の現実

就職状況と進路の現実

獣医学部・生命環境科学部の就職率データ

麻布大学の就職状況は、2024年の最新データによると極めて良好な実績を示しています。獣医学部の就職率は98.3%と高水準を維持しており、特に獣医学科の卒業生の進路は多岐にわたっています。

生命環境科学部においても、2023年度の実績では就職希望者162名のうち155名が就職を果たし、就職率は96.1%という高い数値を記録しています。このような高い就職率は、専門性の高い教育と充実したキャリアサポート体制の成果といえます。

業界別の進路状況と特徴

獣医学部では、約60%の卒業生が動物病院への就職を選択しています。次いで多いのが公務員獣医師で、農林水産省や各都道府県の家畜保健衛生所、食肉衛生検査所などに就職しています。

生命環境科学部の卒業生は、環境・エネルギー業界、食品・食品衛生分野、医療福祉・医薬品業界など、幅広い分野で活躍しています。具体的な就職先として、アース環境サービス、イオンリテール、池田理化などの大手企業への就職実績があります。

就職活動における課題と対策

就職活動において学生が直面する主な課題に対し、大学では体系的な支援プログラムを提供しています。1年次から段階的なキャリア教育を実施し、適性検査やキャリアガイダンス、業界研究セミナーなどを通じて、学生の職業意識を醸成しています。

特筆すべきは、インターンシップの積極的な推進です。大学独自の就職支援システム「麻布大学キャリアナビ」を通じて、学生はインターンシップ情報や求人情報にアクセスでき、効率的な就職活動が可能となっています。

キャリアサポート体制の評価

麻布大学のキャリアサポート体制は、きめ細かな個別支援を特徴としています。就職相談室では、経験豊富な相談員が常駐し、履歴書・エントリーシートの添削から面接指導まで、包括的な支援を提供しています。

相談室の利用時間は平日11時から17時まで、1回50分の個別相談が可能で、オンライン・メール・対面式での相談に対応しています。特筆すべきは、本学のOB相談員も在籍しており、実践的なアドバイスが得られる点です。

さらに、就職閲覧室では企業情報や就職関連書籍、OB・OGの就活体験記など、豊富な情報資源を提供しています。これらの総合的なサポート体制により、高い就職率と学生の満足度を実現しています。

在学生が直面する問題点と課題

在学生が直面する問題点と課題

教育の質に関する具体的な指摘

麻布大学では、2025年に創立135周年を迎えるにあたり、教育の質向上に向けた取り組みを進めています。しかし、現状ではいくつかの課題が指摘されています。ICTを活用した教育環境の整備が十分とは言えない状況にあり、特に一部の講義室では機器の不具合や故障が頻発し、授業準備に支障をきたすケースが報告されています。

また、教員によって操作手順が異なる機器が混在していることで、スムーズな講義進行の妨げとなっているという指摘もあります。これは特に、パソコンの必携化や新型コロナウイルス感染拡大による遠隔授業の普及という近年の環境変化に対応しきれていない実態を示しています。

施設・設備の老朽化問題

施設面では、全般的な老朽化が深刻な課題となっています。特に講義室や実験施設において、設備の経年劣化による不具合が目立つようになってきました具体的には、外壁の塗装劣化や屋根材の損傷、鉄骨部分の腐食などが確認されており、これらの改修には多額の費用が必要とされています。

特に実験・実習施設については、獣医学教育に不可欠な高度な医療設備や研究機器の更新が課題となっています。2024年に新設された動物医療センターなど、一部施設では最新設備の導入が進められていますが、依然として改善が必要な施設も残されています。

学生生活における不便な点

学生生活の面では、キャンパスへのアクセスの問題が大きな課題として挙げられています。駅からの距離が遠く、公共交通機関の発達が十分でないため、特に1年生など車を所有していない学生にとって通学の負担が大きいという声が聞かれます。

また、施設の老朽化に伴う問題として、空調設備の不具合や、雨漏りなどの建物の基本的な機能面での不便さも指摘されています。これらは学習環境の質に直接影響を及ぼす要因となっています。

大学側の対応と改善への取り組み

これらの課題に対し、麻布大学では段階的な改善施策を実施しています。教育の質保証に関しては、内部質保証システムを確立し、教育研究会議を中心とした全学的な教学マネジメント体制によるPDCAサイクルを導入しています。

施設・設備面では、2024年度から順次、主要な講義室のAV機器更新を実施。特に音響設備や映像機器の刷新により、より質の高い授業環境の実現を目指しています。また、実験・実習設備については、最新の医療機器や研究設備の導入を計画的に進めており、特に獣医学教育に必要な専門機器の更新を優先的に行っています。

さらに、学生支援の面では、ICT環境の整備や学習支援体制の強化を進めています。特に、主体的・自立的な学習を促す教育システムの構築に力を入れており、地域に根差した実践的な教育プログラムの展開を目指しています。これらの取り組みを通じて、麻布大学は伝統ある獣医学教育機関としての質の維持・向上に努めています。

麻布大学の意外な魅力と特色

麻布大学の意外な魅力と特色

研究設備と専門教育の充実度

麻布大学は、2024年に新設された動物医療センターをはじめとする最先端の研究設備と実践的な教育環境を誇っています。キャンパス内には附属動物病院や産業動物臨床教育センター、動物飼育エリア、ドッグランなど、動物医療に特化した施設が充実しています。

特筆すべきは研究室の数で、約40室という獣医系大学の中でも群を抜く規模を誇り、大学全体では67の研究室を設置しています。この充実した研究環境により、学生は自身の興味に合わせて幅広い分野から研究テーマを選択できます。

著名な卒業生と活躍の実例

麻布大学からは、動物医療や環境科学の分野で活躍する多くの専門家を輩出しています。特に注目すべき卒業生として、元上野動物園長の増井光子氏が挙げられます。また、政界では衆議院議員の福山守氏、文化界では漫画家の梅川和実氏など、多様な分野で活躍する人材を輩出しています。

独自の学術プログラムと特徴

麻布大学の特徴的な教育プログラムとして、「麻布出る杭プログラム」が挙げられます。これは文部科学省の知識集約型社会を支える人材育成事業で国内唯一採択された「動物共生科学ジェネラリスト育成プログラム」です。2022年度の文部科学省による中間評価では最高評価の「S」を獲得しており、その教育効果が高く評価されています。

また、全学科共通の「地球共生論」という特色ある科目では、各学科の教員がオムニバス形式で講義を行い、学生からの評価も非常に高いものとなっています。さらに、国際交流にも力を入れており、スイスのベルン大学やアメリカのフロリダ大学など、世界各国の大学と学術交流協定を結んでいます。

学生間の交流と支援体制

麻布大学では、獣医学科5・6年次を除く全学生が参加する学生自治会が設置されており、学風や環境の改善に積極的に取り組んでいます。この自治会活動を通じて、学部や学科の垣根を越えた交流が活発に行われています。

教育面では、2025年に創立135周年を迎える歴史ある大学として、最新のICT環境を整備し、質の高い教育環境の提供に努めています。特に2024年度からは、講義室のAV機器を更新し、より効果的な学習環境の整備を進めています。

このように、麻布大学は伝統ある獣医学教育機関としての専門性を保ちながら、時代に即した教育環境の整備と、独自の教育プログラムの展開により、次世代の専門家育成に取り組んでいます。国際交流の推進や充実した研究設備、活発な学生間交流など、総合的な教育環境の充実が、この大学の大きな魅力となっています。

よくある質問と回答

よくある質問と回答
Q
麻布大学は本当に就職が難しいのか?
A

就職状況については、むしろ極めて良好な実績を示しています。2023年度の就職率は96.1%と高水準を維持しており、特に獣医学部の就職率は98.3%と極めて高い数値を記録しています。

就職先は多岐にわたり、動物病院への就職が約60%を占めるほか、公務員獣医師として農林水産省や各都道府県の家畜保健衛生所などに就職する卒業生も多数います。また、医療・福祉業界、フード業界など、幅広い分野で活躍の場が広がっています。

Q
学費の負担は想定内に収まるのか?
A

2025年度入学者の学費については、学部や学科によって大きな差があります。獣医学科の初年度納入金は約257万円と最も高額で、これには入学金25万円、授業料180万円、施設・教育充実費45万円などが含まれます。

ただし、充実した経済支援制度が用意されています。無利子貸与型の「麻布大学奨学金」「麻布大学父母会奨学金」が主要な制度として挙げられ、学納金の年額または年額の2分の1を貸与することが可能です。また、成績優秀者には給付型奨学金として、2年次から6年次の各学科3~4人に対して、10万円の奨学金が給付されます。

Q
実験・実習の設備は充実しているのか?
A

2024年に新設された動物医療センターをはじめ、実践的な学習のための施設が充実しています。特に附属動物病院は1949年の開院以来、二次診療を基本とする高度医療施設として全国から症例を受け入れており、年間約1万4千症例の診療を行っています。

実習室には最新の医療機器や分析機器が完備されており、学生は実践的な環境で学ぶことができます。特に2024年の動物医療センター増築により、診察室・手術室が増設され、放射線治療装置、外科手術用顕微鏡など最新機器が導入されました。

Q
通学の利便性はどうか?
A

大学の最寄り駅はJR横浜線の矢部駅で、駅から徒歩4分という至近距離にあります。新宿、渋谷、横浜駅からはいずれも約1時間でアクセス可能で、新幹線利用の場合は新横浜駅から約30分でアクセスできます。

学生の多くは、矢部駅周辺や淵野辺駅周辺に居住しており、特に一人暮らしの学生の90%以上が自転車や徒歩で通学しています。家賃相場も、ワンルームで3万8,800円、1K・1DKで4万8,600円と、比較的リーズナブルな価格帯となっています。

Q
留年率や中退率の実態は?
A

留年や中退については、一定数の実態が報告されています。特に臨床検査技術学科では7.3%、食品生命学科では14.6%の学生が留年を経験したというデータがあります。これに対し大学では、リメディアル教育やチューター制度を導入し、学生個別の指導を強化しています。

また、教育の質を保証するため、進級条件の設定やGPA制度の導入など、学修の質を担保するシステムを採用しています。特に獣医学科では、6年間の総合的なカリキュラムを通じて、着実な学力向上を図る体制が整備されています。

まとめ:麻布大学の評判と実態

麻布大学の評判と実態

麻布大学は、獣医学・生命科学分野における専門教育機関として、確かな実績と魅力を持つ大学です。

充実した研究設備と実践的な教育環境は、この大学の最大の強みといえます。2024年に新設された動物医療センターをはじめ、約40室の研究室、附属動物病院など、専門教育に特化した施設が整っています。

教育面では、「麻布出る杭プログラム」という特徴的な教育プログラムが、文部科学省の中間評価で最高評価の「S」を獲得。また、国際交流にも力を入れており、スイスのベルン大学やアメリカのフロリダ大学など、世界各国の大学との学術交流を展開しています。

就職状況も極めて良好で、2023年度の就職率は96.1%と高水準を維持。特に獣医学部では98.3%という驚異的な就職率を記録しています。

確かに、学費面では獣医学科の初年度納入金が約257万円と高額です。しかし、無利子貸与型の奨学金制度や給付型奨学金など、充実した経済支援制度により、学生の経済的負担を軽減する体制が整っています。

施設面での課題や通学の利便性など、改善の余地がある点も存在します。しかし、大学側は段階的な施設更新や教育環境の整備を進めており、より良い学習環境の実現に向けて着実に歩みを進めています。

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