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英検2級 何問正解で合格?配点・合格ライン・ギリギリ合格例を詳しく解説

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  • 英検2級合格には1950点満点中1520点(約78%)のCSEスコアが必要で、単なる問題の正解数ではなく統計的に調整された採点方式で判定される
  • 各技能(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)はそれぞれ650点満点で、バランスよく得点することが重要
  • 2025年度から準2級と2級の間に「準2級プラス」が新設され、ステップアップが容易になる

「英検2級を受けるけど、何問正解すれば合格できるの?」
「リーディングは何問正解が必要?」
「ギリギリ合格した人のスコアが知りたい…」

英検2級の受験を考えている方なら、このような疑問を持つのは当然です。合格に必要な正解数を知ることで、効率的な学習計画を立てられるからです。

本記事では、英検2級の合格に必要な正解数や配点、合格ラインについて、最新情報をもとに詳しく解説します。ギリギリ合格した実例も紹介しているので、合格へのイメージが具体的に湧くはずです。

英検2級 何問正解で合格

英検2級合格のために必要な正解数とスコア

まず結論からお伝えします。英検2級の合格には、CSEスコア1520点以上(1950点満点中)が必要ですこれを簡単に言うと、約78%(≒8割弱)の正答率が必要ということになります。

ただし、単純に「〇問中△問正解すれば合格」とは言えません。英検ではCSEスコアという独自の採点方式を採用しているため、正解数が同じでも回によってスコアが変わることがあります。また、単に総合点だけでなく、各技能(リーディング・ライティング・リスニング)のバランスも重要です。一つの技能が極端に低いと、合計点が合格ラインを超えていても不合格になる可能性があります。

英検2級の試験構成と配点

英検2級の試験は、一次試験と二次試験(面接)に分かれています。合格するためには両方に合格する必要があります。

一次試験は以下の3技能で構成されています:

技能問題数配点(CSEスコア)
リーディング25問650点
ライティング2問650点
リスニング30問650点
合計57問1950点

合格基準点:1520点(1950点満点中)

各技能の詳細と特徴

リーディング(25問・650点満点)

リーディングは以下の3つのパートに分かれています:

  1. 短文空所補充(10問):20〜30語程度の短文の空所に適切な語句を選ぶ
  2. 長文空所補充(7問):長文の空所に適切な語句を選ぶ
  3. 内容一致選択(8問):長文の内容について正しい記述を選ぶ

重要なのは、語彙問題も長文問題も配点は変わらないという点です。1問あたりの重みは同じなので、苦手分野の対策が特に重要です。一般的には、リーディングで60%程度の正答率(25問中15問正解)で合格ラインに近づきます。ただ、実際のギリギリ合格例では48%(12問正解)でも合格しているケースがあります。

ライティング(2問・650点満点)

2024年度から、英検2級のライティング問題が変更になりました:

  1. Email(メール)問題:一定の条件に基づいて、メールを英文で書く問題
  2. 要約問題:英文の記事や文章を読み、その内容を要約する問題

ライティングは問題数が少ないにも関わらず、配点は高いので、合否を分ける重要なポイントになります。一般的には65%程度(21点/32点)の得点率が目安とされています。

リスニング(30問・650点満点)

リスニングは以下の3つのパートに分かれています:

  1. 会話応答問題(15問):短い会話を聞き、適切な応答を選ぶ
  2. 会話内容一致選択(10問):長めの会話を聞き、内容について正しい選択肢を選ぶ
  3. 文章内容一致選択(5問):文章(ナレーション)を聞き、内容について正しい選択肢を選ぶ

リスニングは放送が1回しかないため、集中力が試されます。約60%程度(18問/30問)の正答率が合格の目安です。

二次試験(面接・650点満点)

二次試験はスピーキング(面接)で、合格基準点は460点(650点満点中)です。面接試験は約7分間で、カードの音読、質問に対する応答、図表に基づく説明などが含まれます。

英検CSEスコアとは

英検は2015年から「CSEスコア」を導入しました。CSEとは「Common Scale for English(英語力の共通尺度)」の略で、問題の難易度を統計的に調整して公平に評価するシステムです。

このシステムの特徴は、正解数(素点)がそのまま点数にならないことと、各回・各日程によって換算率が変わること、そして正解数からCSEスコアを自分で計算できないという点です。つまり、「何問正解すれば合格」と一概に言えないのです。

ギリギリ合格した実例で見る合格ライン

では実際にどのくらいの正解数が必要なのか、過去の実例をもとに見ていきましょう。

実例から学ぶ合格パターン

ケース1:リーディングが弱めのケース(2024年度第1回検定)

技能詳細
リーディング大問1:6/10問正解
大問2:3/7問正解
大問3:3/8問正解
合計:12/25問(48%)
ライティングEmail問題:8/12点
要約問題:14/20点
合計:22/32点(69%)
リスニングPart 1:9/15問正解
Part 2:6/10問正解
Part 3:4/5問正解
合計:19/30問(63%)
総合結果CSEスコア:1565点(合格)

このケースでは、リーディングが半分以下の正答率でも、ライティングとリスニングがそれぞれ6割以上の正答率で合格しています。リーディングの大問1(短文空所補充)は比較的点が取りやすく、それが救いになっています。

ケース2:全体的にバランスの良いケース

技能詳細
リーディング大問1:7/10問正解
大問2:4/7問正解
大問3:5/8問正解
合計:16/25問(64%)
ライティングEmail問題:7/12点
要約問題:12/20点
合計:19/32点(59%)
リスニングPart 1:10/15問正解
Part 2:7/10問正解
Part 3:2/5問正解
合計:19/30問(63%)
総合結果CSEスコア:1540点(合格)

このケースでは、3技能ともに6割前後の正答率でバランス良く得点しています。バランスの良さが合格につながった例です。

素点からCSEスコアへの換算目安

「自分で解いた問題の正答数から合格できるかどうか知りたい」という方は多いでしょう。前述の通り、CSEスコアは統計的に算出されるため、自己採点からの正確な予測は難しいですが、おおよその目安として参考になる換算表を紹介します。

リーディング

  • 20問正解 → CSEスコア525点
  • 15問正解 → CSEスコア475点
  • 10問正解 → CSEスコア425点

ライティング

  • 25点 → CSEスコア570点
  • 20点 → CSEスコア520点
  • 15点 → CSEスコア470点

リスニング

  • 25問正解 → CSEスコア570点
  • 20問正解 → CSEスコア540点
  • 15問正解 → CSEスコア490点

これはあくまで参考値であり、実際の試験ではこの通りにならない場合があります。正確なCSEスコアは合格発表時に公表されます。

英検2級の合格率と難易度

英検2級の合格率は約30〜40%と言われています。近年、受験者数が増加傾向にあり、2023年度の英検受験者数は450万人以上に達しました。この合格率を踏まえると、しっかりとした対策なしで英検2級に合格するのは簡単ではないことが分かります。

2025年度からの重要な変更点

2025年度から、英検に新たな級「準2級プラス」が導入されます。これは準2級と2級の間に位置する級で、2級へのステップアップを支援するものです。

準2級プラスの概要と意義

準2級から2級への合格までに約2年かかるというデータがあり、この間のギャップを埋めるために導入されました。準2級プラスは2025年度第1回検定(2025年6月頃予定)から実施されます。

準2級プラスの合格基準スコアは1829点(満点2500点)で、一次試験が1402点、二次試験が427点です。高校2年生にふさわしい英語力が身についているかを客観的に示す級として、準2級と2級の橋渡しとなることが期待されています。

2024年度の試験変更点

2024年度からは、英検3級以上のライティング問題が1題から2題に増えました。2級では従来の意見論述問題に加えて要約問題が追加され、より実践的な英語力が問われるようになっています。この変更により、バランスの良い4技能の評価がより正確に行われるようになりました。

効果的な学習戦略と合格のポイント

英検2級に合格するための効果的な学習戦略を紹介します。

バランスのとれた学習アプローチ

英検2級では4技能のバランスが重要です。特定の技能に偏らず、全ての技能をバランス良く学習しましょう。過去問を解いて自分の苦手分野を把握し、そこを重点的に対策することが効果的です。特にリーディングの語彙問題や、ライティングは対策の効果が出やすい分野です。

時間管理と実践的練習

本番と同じ時間配分で過去問を解く練習をすることも大切です。時間配分は、リーディング・ライティングが85分、リスニングが約25分です。特にライティングは1問あたりの配点が高いため、合否を大きく左右します。Eメール問題と要約問題、それぞれの対策を十分に行いましょう。

日常的な英語環境の構築

リスニングは日々の積み重ねが重要です。英語のニュースやポッドキャスト、映画などを活用して、日常的に英語を聞く環境を作りましょう。また、知恵袋やSNSの情報だけを鵜呑みにせず、公式情報や信頼できる情報源を参考にすることをおすすめします。

英検2級 何問正解で合格

よくある質問(FAQ)

Q
英検2級の一次試験に合格したが二次試験に不合格だった場合、次回はどうなりますか?
A

一次試験に合格し二次試験に不合格となった場合、次回の検定で「一次試験免除」の制度を利用できます。申込時に一次試験免除を申請すれば、二次試験だけを受験することができます。この制度は受験者の負担を軽減する重要なメリットです。

Q
自己採点した結果からCSEスコアを計算することはできますか?
A

残念ながら、自己採点の結果からCSEスコアを正確に計算することはできません。CSEスコアは全受験者の答案を統計的に処理した後に算出されるため、正答数が同じでも試験回によってスコアが異なります。ただし、本記事で紹介した換算目安を参考にすることはできます。

Q
英検2級と準2級プラスはどれくらい難易度が違いますか?
A

準2級プラスは2級より易しく、準2級より難しい級として設定されています。合格基準スコアは準2級が1728点、準2級プラスが1829点、2級が1980点となっており、段階的に難易度が上がる設計になっています。準2級プラスは「身近な社会的話題」を扱うのに対し、2級はより幅広い「社会的話題」を扱います。

Q
ライティングが苦手ですが、他の技能で補えますか?
A

技能間でのある程度の補完は可能ですが、一つの技能が極端に低いと合格は難しくなります。例えば、リーディングが48%でも、ライティングとリスニングがそれぞれ69%と63%あれば合格した例があります。ただし、ライティングは配点が高いため、基本的な対策は必須です。

Q
2025年度から準2級プラスが導入されますが、2級を受験予定の場合はどうすべきですか?
A

準2級に合格したばかりで2級にチャレンジしようとしている場合、準2級プラスを経由するのも一つの選択肢です。準2級と2級の間には大きなギャップがあるため、ステップアップとして準2級プラスを活用するのは効果的でしょう。ただし、すでに2級レベルに近い英語力がある場合は、直接2級を受験しても問題ありません。

まとめ:英検2級合格への道

英検2級は何問正解すれば合格するのかについて詳しく解説してきました。CSEスコア1520点以上(約78%)が合格基準であり、各技能でおおよそ6割の正答率を目指すとよいでしょう。ただし、技能間のバランスによって、一部が6割を下回っても合格できる可能性はあります。

英検2級では単純な正解数だけでなく、4技能のバランスが重要です。特にライティングは配点が高いため、重点的に対策すべきです。2024年度からはライティング問題が2題になり、2025年度からは準2級と2級の間に「準2級プラス」が導入されるなど、制度も進化しています。

英検2級はハードルが高いと言われていますが、適切な対策と継続的な学習によって合格は十分に可能です。この記事の情報を参考に、効果的な学習計画を立て、合格を目指してください。皆さんの英検2級合格を心より応援しています!

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