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麻布大学は金持ちだけ?学費1400万円の実態と支援制度

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この記事の要点
  • 麻布大学が金持ちと言われる最大の理由は、獣医学科6年間1,400万円の学費です
  • 生命・環境科学部は4年間610万〜640万円で、私立理系の相場に近い水準です
  • 奨学金と修学支援新制度を使えば、高収入世帯でなくても進学の道はあります

「麻布大学は金持ちしか行けない」という書き込みを、ネットで見かけたことはないでしょうか。獣医師にあこがれているのに、学費のことを考えると親に相談しづらい。そう感じている方は少なくありません。

結論からお伝えします。麻布大学の獣医学科は、卒業までに1,400万円の学納金が必要です。私立大学の平均と比べれば、確かに高額といえます。

ただし、これは大学全体の話ではありません。生命・環境科学部は4年間で610万〜640万円で、一般的な私立理系とほぼ同じ水準です。

この記事では、大学が公開している学納金の一次データをもとに、実際に必要な金額と使える支援制度を整理します。読み終えるころには、ご自身の家庭で現実的かどうかを数字で判断できるはずです。

麻布大学学費ガイド

麻布大学が「金持ち」と言われる3つの理由

「金持ち大学」というイメージは、主に3つの要素が重なって生まれています。順に見ていきましょう。

理由1:獣医学部の学費が突出して高いから

最大の理由は、看板学部である獣医学科の学費です。6年制であることに加え、年間の学納金そのものも高く設定されています。

私立大学全体の初年度納入金の平均が約151万円であるのに対し、麻布大学の獣医学科は初年度だけで250万円です。この差が「お金がないと通えない」という印象につながっています。

理由2:「麻布」という校名が高級住宅街を連想させるから

校名の印象も無視できません。「麻布」と聞くと、東京都港区の高級住宅街を思い浮かべる方が多いためです。

実際、この校名は地名に由来しています。1890年に東京市麻布区(現在の港区南麻布)で「東京獣医講習所」として創設されたことが起源です。

ただし、キャンパスは1947年に神奈川県相模原市へ移転しています。現在の所在地はJR横浜線・矢部駅のすぐそばで、港区とは何の関係もありません。

東京の私立中高一貫校である「麻布中学校・高等学校」とは、まったく別の学校法人です。麻布大学の附属校は、相模原市にある麻布大学附属高等学校です。

理由3:動物を飼う余裕のある家庭のイメージと重なるから

3つ目は、動物系大学に共通するイメージです。ペットを飼育し、動物病院に通える家庭の子どもが志望しやすい、という連想が働きます。

ただし、これは統計にもとづく話ではありません。麻布大生の世帯年収を示す公的なデータは存在しない点は、先にお伝えしておきます。

では実際のところ、いくら必要なのでしょうか。次の章から、公式の学納金データで確認していきます。

【学科別】麻布大学の学費は卒業までいくらかかるのか

麻布大学の学費は、学科によって2倍以上の開きがあります。まずは全体像を表で確認してください。

以下は、大学が公表している学則の別表(2024年度以降の入学者に適用)から算出した金額です。入学金・授業料・施設設備費の合計にあたります。

学部・学科修業年限初年度卒業までの総額
獣医学部 獣医学科6年250万円1,400万円
獣医学部 獣医保健看護学科4年160万円640万円
獣医学部 動物応用科学科4年175万円640万円
生命・環境科学部 臨床検査技術学科4年175万円640万円
生命・環境科学部 食品生命科学科4年175万円610万円
生命・環境科学部 環境科学科4年175万円610万円

獣医学科は6年間で1,400万円ちょうど

獣医学科の内訳を見てみましょう。1年次は前期127.5万円・後期122.5万円で、合計250万円です。

2年次以降は前期・後期それぞれ115万円で、年額230万円になります。これが5年続くため、6年間の合計はちょうど1,400万円です。

月額に直すと約19.4万円です。住宅ローンの返済に近い金額が、6年間続くことになります。

生命・環境科学部は4年間で610万〜640万円

一方、生命・環境科学部は年額145万〜155万円ほどです。4年間の総額は610万〜640万円に収まります。

文部科学省の調査による私立理科系学部の初年度平均は約160万円です。麻布大学の生命・環境科学部は175万円ですから、平均から大きく外れているわけではありません。

学納金は入学年度によって適用される表が異なります。出願前に、必ず志望する年度の入試要項で最新額を確認してください。

他大学と比べて麻布大学の学費は本当に高いのか

「高い」という印象は、何と比べるかで大きく変わります。初年度に納める金額を並べて比較してみましょう。

出典:麻布大学 学納金(学則別表)/文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」/国立大学の標準額(入学料28.2万円+授業料53.58万円)

グラフのとおり、麻布大学の獣医学科(250万円)は私立理科系の平均(160.2万円)を上回ります。一方で、私立医歯系の平均(477.9万円)の半分程度にとどまります。

国立大学の獣医学部とは3〜4倍の差がある

最も差が開くのは国立大学との比較です。国立大学の学費は文部科学省の省令で標準額が定められており、初年度は81.78万円です。

2年次以降は年53.58万円ですから、6年間の総額は約350万円になります。麻布大学の1,400万円と比べると、およそ4倍の開きです。

ただし国立の獣医学部は定員が非常に少なく、難易度も高くなります。学費だけで進路を決められないのが、獣医系志望の難しいところです。

私立獣医系のなかでは突出して高いわけではない

国内の私立獣医系大学は、麻布大学・北里大学・日本獣医生命科学大学・日本大学・酪農学園大学・岡山理科大学の6校です。

いずれの大学も6年間で1,300万円前後から1,600万円台に分布しています。麻布大学の1,400万円は、このなかでは中位に位置します。

「麻布大学だけが高い」わけではありません。私立で獣医師を目指す以上、1,300万円台からが出発点になると考えておくと現実的です。

各大学の正確な金額は毎年見直されます。比較の際は、必ず各大学の公式サイトで最新の学納金表を確認してください。文部科学省の私立大学等の学生納付金等調査結果も、相場観をつかむ資料として役立ちます。

見落としがちな「学費以外」に必要なお金

進学費用を見積もるとき、学納金だけを見て安心してしまうケースがあります。実際には、生活費が家計を圧迫する要因になります。

一人暮らしなら年間で約78万円の上乗せ

日本学生支援機構の令和6年度学生生活調査によると、私立大学(昼間部)の学生が1年間に使う「学生生活費」は次のとおりです。

居住形態年間の学生生活費自宅との差
自宅から通学1,905,400円—
下宿・アパート等2,689,100円+783,700円

この学生生活費には、授業料などの学費と生活費の両方が含まれます。自宅外に出るだけで、年間およそ78万円が上乗せされる計算です。

獣医学科の場合、6年間では約470万円の追加負担になります。学納金1,400万円と合わせると、総額は1,800万円を超える可能性があります。

相模原キャンパスは最寄りの矢部駅から徒歩数分です。首都圏から通える範囲であれば、自宅通学を選ぶだけで負担は大きく変わります。

実習・教科書・国家試験対策の費用も加わる

獣医学科では、解剖器具や白衣、実習用具などを自費でそろえる場面があります。専門書も1冊が数千円から1万円を超えるものが少なくありません。

さらに6年次には、獣医師国家試験の受験対策費が発生します。予備校や模試を利用する場合は、その分を上乗せして考える必要があります。

  • 学納金(入学金・授業料・施設設備費)
  • 住居費・食費などの生活費
  • 教科書・実習用具・白衣などの学用品
  • 通学定期代・帰省の交通費
  • 国家試験対策の費用(6年制の場合)

「金持ちしか行けない」は本当か?データで見る学生の実像

ここまで読むと、やはり裕福な家庭でなければ無理だと感じるかもしれません。しかし、大学生全体の収入構成を見ると別の姿が浮かびます。

出典:日本学生支援機構「令和6年度 学生生活調査結果」(大学学部・昼間部)

大学生の収入のうち、家庭からの支援は50.7%にとどまります。残りの約半分は、奨学金とアルバイトでまかなわれているのが実態です。

私立大学生の52.4%が何らかの奨学金を利用している

同じ調査では、私立大学(昼間部)の学生のうち52.4%が何らかの奨学金を受給していると報告されています。つまり、2人に1人が支援制度を使っている計算です。

また、家庭からの支援の割合は前回調査(令和4年度)から5.1ポイント減りました。逆にアルバイト収入は5.9ポイント増えています。

学費を全額親が負担するという前提そのものが、近年は変わりつつあるといえます。詳細は日本学生支援機構の学生生活調査で公開されています。

「麻布大生の年収データ」は存在しない

ここは正直にお伝えしておきます。特定の大学の学生について、世帯年収を集計した公的統計はありません。

さらに、日本学生支援機構は令和6年度調査から「家庭の年間平均収入額」の算出・公表を取りやめています。回答方法の変更により、算出が困難になったためです。

「麻布大生の平均世帯年収は◯◯万円」といった具体的な数字を掲げる情報は、根拠が示されていない可能性が高いため、そのまま信じないようにしましょう。

判断すべきは「他の学生が裕福かどうか」ではなく、「自分の家庭で必要額を用意できるか」です。次章の制度と組み合わせて考えてください。

学費負担を下げる5つの制度

麻布大学に進学する場合、利用できる支援制度は大きく5種類あります。組み合わせることで、実際の負担額は変わります。

  1. 高等教育の修学支援新制度(授業料等減免+給付奨学金)を確認する
  2. 日本学生支援機構の給付型・貸与型奨学金に申し込む
  3. 麻布大学独自の奨学金(給付・無利子貸与)を検討する
  4. 自治体の獣医師修学資金(返還免除つき)を調べる
  5. 入学金の免除対象に当てはまるかを確認する

麻布大学独自の奨学金には給付型もある

麻布大学には、成績優秀者を対象とした給付型の奨学金があります。2年次から6年次の各学科3〜4人に対し、10万円が支給される制度です。

また、獣医学部の最高学年を対象とした特別奨学金もあります。修学支援新制度の第I区分に採用され、前年度GPAが3.0以上であることが条件で、30万円が給付されます。

このほか、麻布大学奨学金・父母会奨学金・同窓会奨学金という無利子貸与の制度が用意されています。いずれも家計状況と学業成績が審査対象です。

入学金が免除になるケースがある

学則には、入学金(25万円)の免除規定が明記されています。該当する方は必ず確認しておきたいポイントです。

  • 附属高等学校特別入学試験で合格・入学した場合は全額免除
  • 生命・環境科学部卒業生子女等特別入学試験で入学した場合は半額免除

自治体の「獣医師修学資金」は返還免除の可能性がある

獣医系ならではの制度として、地方自治体が実施する獣医師修学資金があります。畜産が盛んな都道府県を中心に設けられている制度です。

卒業後に一定期間その自治体の公務員獣医師として勤務すると、返還が免除される仕組みが一般的です。ただし条件は自治体ごとに大きく異なります。

修学資金は、募集人数・勤務年数・対象分野(産業動物や公衆衛生など)が自治体ごとに定められています。募集がない年度もあります。

また、途中で進路を変更した場合は一括返還を求められることがあります。応募前に、必ず当該自治体の募集要項を確認してください。

制度の内容は毎年更新されます。最新の金額と条件は、大学の公式ページで確認するのが確実です。

卒業後の収入と、進学を判断する基準

1,400万円を投じる価値があるのか。判断材料として、卒業後の収入も見ておきましょう。

獣医師の平均年収は約686万円

厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとにしたデータでは、獣医師の平均年収は約686万円とされています。日本全体の平均を上回る水準です。

ただし、25〜29歳の若手では約488万円という数字が示されています。卒業直後から高収入が保証されるわけではありません。

また、獣医師の年収は勤務先によって大きく変わります。臨床(動物病院)、公務員、製薬・食品企業など、進路の選択が収入に直結します。

「何年で元が取れる」といった単純な計算は現実的ではありません。奨学金の返済期間や勤務先によって、家計への影響は大きく変わります。

受験前に確認しておきたいこと

最後に、志望を固める前に整理しておきたい観点をまとめます。学費の話は、早い段階で家族と共有しておくほど選択肢が広がります。

  • 自宅通学が可能か、下宿が必要かを先に決める
  • 修学支援新制度の対象になるか、事前にシミュレーションする
  • 獣医学科と生命・環境科学部で、費用の差を家族と共有する
  • 国公立の獣医系も併願先として検討する
  • ネット上の「金持ち大学」という評判だけで諦める
  • 初年度納入金だけを見て、総額の試算を後回しにする
  • 奨学金の申し込み時期を確認しないまま出願する

河合塾のボーダー偏差値では、麻布大学の獣医学科は60.0〜62.5とされています。学費と難易度の両方を早めに把握し、計画的に準備を進めることが、後悔しない進路選びにつながります。

まとめ

麻布大学が「金持ち」と言われる理由は、獣医学科の学費が6年間で1,400万円に達することが中心でした。校名から連想される高級イメージも、その印象を強めています。

一方で、生命・環境科学部は4年間610万〜640万円です。私立理系の相場に近く、大学全体が特別に高額というわけではありません。

また、私立大学生の52.4%が奨学金を利用しているという事実もあります。制度を組み合わせれば、高収入世帯でなくても進学の道は開けます。

まずは自宅通学の可否と、修学支援新制度の対象になるかを確認しましょう。その2点が決まれば、必要な総額は具体的に見えてきます。

よくある質問

Q
麻布大学の獣医学部は6年間でいくらかかりますか?
A

獣医学科の学納金は、6年間で1,400万円です。初年度が250万円、2年次以降は年230万円という構成になっています。これに教科書代や生活費が別途加わります。自宅外通学の場合は、さらに年70万円台の上乗せを見込んでおくと安全です。

Q
麻布大学と麻布中学・高校は関係がありますか?
A

まったく別の学校法人です。麻布大学は1890年に東京市麻布区で創設され、1947年に相模原市へ移転しました。校名は創立地に由来しています。麻布大学の附属校は、相模原市にある麻布大学附属高等学校です。

Q
学費が払えない場合はどうすればよいですか?
A

まず高等教育の修学支援新制度と、日本学生支援機構の奨学金を確認してください。麻布大学独自の給付・無利子貸与の奨学金もあります。獣医師志望であれば、自治体の獣医師修学資金も選択肢です。申請時期は入学前後に集中するため、早めの情報収集が重要です。

Q
生命・環境科学部の学費は他の私立大学と比べて高いですか?
A

初年度175万円で、私立理科系学部の平均160.2万円をやや上回る程度です。4年間の総額は610万〜640万円になります。獣医学科ほどの負担ではなく、一般的な私立理系の範囲内といえる水準です。

Q
入学金が免除になる制度はありますか?
A

あります。附属高等学校特別入学試験に合格して入学した場合は、入学金25万円が全額免除されます。生命・環境科学部卒業生子女等特別入学試験で入学した場合は半額免除です。学則に明記されている制度ですが、適用条件は入試要項で確認してください。

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